大豆イソフラボンの機能性表示食品がもたらす効果と食生活への上手な取り入れ方

最近、スーパーやコンビニエンスストアなどで買い物をしていると、機能性表示食品、大豆イソフラボン配合などとパッケージに記載されている商品を数多く見かけます。どちらも、なんとなく体に良さそうというイメージがありますが、具体的には私達の健康にどのようなメリットがあるのでしょうか。

商品の持つ具体的な価値、効能、食事への取り入れ方などについて紹介していきます。

そもそも機能性表示食品とは、国が定めている基本的なルールに沿って、商品のパッケージなどにはっきりと機能性を表示することができる食品のことです。具体的に機能として表示できるのは、体脂肪を減らせる、血圧を下げる、腸内環境を整えるといった直接病気の改善に結びつくものから、疲労を軽減する、記憶力をサポートする、ストレスを抑えるといった心身の健やかな生活を支援する内容まで、幅広くあります。

似たような表示にトクホという言葉で馴染み深い特定保健用食品があります。両者は、商品を販売する前に安全性や機能性の情報を消費者庁に届け出なくてはいけないという点においては全く同じです。ただし、特定保健用食品は消費者庁から商品ごとに許可を受けなくてはいけないのに対して、機能性表示商品の表示は許可を得る必要はありません。

ただし、商品を販売する企業ごとの責任において、科学的根拠にしっかりと基づいていることや、健康のために良い効果があると実証されているものに限ることから、特定保健用食品と同じく、健康効果について信頼性の高い商品であると言えるでしょう。

一方、大豆イソフラボンというのは、大豆の胚芽に多く含まれている成分のことで、女性にとってとても大切なエストロゲンとよばれる女性ホルモンと分子構造が似ていることで注目されています。女性が若さや美しさを保つためには、女性ホルモンが重要な役割を果たしていていることはよく知られていますが、年齢を重ねていくに従ってエストロゲンが減ってきてしまうと、更年期障害などのさまざまな不定愁訴の原因になってしまうこともわかっています。

そこで、植物性エストロゲンとも呼ばれる大豆イソフラボンを積極的に摂取することによって、エストロゲンの減少を補うことができ、女性特有の心身の不調を改善するのに役立つことが期待されているのです。

大豆イソフラボンを多く含む一般的な食材としては、豆腐をはじめ、納豆、調整豆乳、油揚げ、味噌、きなこなどがあります。中でも、大豆イソフラボンの機能性表示食品としてよく知られているのは、CMなどでもお馴染みのフジッコの豆製品です。

機能性表示食品として表示しているものには、煎り黒豆、蒸し黒豆、蒸し大豆などの袋製品があり、どの商品もそのまま食べられる手軽さやブランドの信頼感などにおいて、人気を集めています。また、カット野菜やオーガニックスプラウトで有名な株式会社サラダコスモでは、大豆イソフラボン大豆もやしや、子大豆もやし芽ぐみという機能性表示食品を販売しています。

特に子大豆もやし芽ぐみは、肌のうるおいを保つ、高めの血圧を下げる、骨の成分を維持するという3つの機能性表示のある野菜として評判です。機能性表示食品を表示するにあたっては、十分な安全性を確認していること、自社において品質保証部や検査課を設けるなど管理体制が構築されていることをはじめ、さまざまな研究の成果を提示して申請を行った上で、一般の消費者に対しても詳しくしっかりとした情報を開示しています。

大豆イソフラボンには女性の体に有効な成分が豊富に含まれていることがわかって以来、大豆イソフラボンの機能性を示す食品もどんどん増えていきましたが、健康効果の評判の高まりと共に、その安全性についての指摘や議論も増えています。

これまでにも、健康によいからといって大豆イソフラボンを摂りすぎていいのか、乳がんなどのリスクが高まることはないのか、小さい子供が食べてもいいのかなど、多くの課題や疑問に対して食品安全委員会で検討が行われています。

その上で、現在、厚生労働省からは通常の食事に上乗せして、大豆イソフラボンを含む機能性表示食品や特定保健用食品などを摂取する場合の指針についても、きちんと発表されているので安心です。

具体的には、大豆イソフラボンには配糖体とアグリコンという2パターンの形態があり、大豆イソフラボンアグリコンの形態として30ミリグラムまでを上限として商品を設定すること、大豆イソフラボンアグリコンの含有量を商品に明記すること、妊娠中や授乳中の女性や乳幼児などは摂取しないようにすることなどが定められています。

議論や評価を繰り返し、方針を発表することによって、消費者の不安や心配を払拭し、現在では大豆イソフラボンを含む機能性表示食品などをスムーズに選べるようになっているのです。

『機能性表示食品でビタミンeを摂取し若返る!』

大豆イソフラボンを含む食品や機能性表示食品を積極的に摂取することを意識することは、大豆イソフラボンそのものを体に取り入れる以外にも、多くのメリットが考えられます。例えば、大豆イソフラボンは、欧米食や外食中心の偏った食生活の中ではなかなか摂取することが難しく、不足しがちになる傾向があります。

そのため、大豆イソフラボンを摂取したり、機能性表示食品を購入することで、自然に大豆製品に合うような和食やカロリーの抑えられたメニューが頻繁に食卓に並ぶようになり、食生活習慣全体にもよい影響を与えるのです。

そのほか、大豆イソフラボンの機能性表示食品と一緒に組み合わせて食べることで、健康効果がさらに高まる食品もいろいろとあります。青魚などに含まれるDHAやEPA、野菜やきのこ類などの食物繊維と組み合わせることで脂質異常症などの生活習慣病の改善につながったり、魚や牛乳に含まれるカルシウムと一緒に摂ることで骨粗鬆症の予防や改善にも役立ちます。

大豆イソフラボンの機能性表示食品の効果やしくみ、表示されている栄養素などをよく知ることで、質の高い食生活を実現し、心と体を健やかに導くことが可能となるでしょう。

『機能性表示食品があれば魚を食べなくても良いの?』

大豆イソフラボンの機能性表示食品は安全性も高く、女性特有の不調を改善するなどさまざまな効能が期待できますが、消費者が開示されている情報をさらによく知ることで、より安心して自分に合った商品を選ぶことが可能となります。

また、普段の食生活の中に上手に取り入れることで、食生活全体の質が高まり、多くの人の心と体の健康につながるでしょう。